眠れない人ほど「深呼吸」が危険な理由|不眠と身体の支えの関係

「横になると不安」な人に起きていること

 

前回の記事では、
横になると不安になるのは、脳ではなく身体の支えの問題
というお話をしました。

 

・横になると落ち着かない
・考え事が増える
・眠ろうとすると不安になる

 

こうした状態は、
身体が「預けられる支点」を失っているサインでした。

 

今回は、そこからもう一段深い話です。

 

なぜ、眠れない人ほど
“深呼吸”が危険になるのか。

 


眠れないとき、よく言われるアドバイス

 

不眠で悩んでいると、
ほぼ必ず言われる言葉があります。

 

・深呼吸してみて
・ゆっくり息を吐いて
・呼吸を整えたら眠れる

 

確かに、
健康な身体にとって深呼吸は良いものです。

 

でも整体の現場では、

深呼吸を頑張るほど
身体が緊張していく人

が、はっきり存在します。

 


深呼吸が「安心」にならない身体

 

眠れない人が深呼吸をすると、
こんな反応が起きることがあります。

 

✔ 息が入りにくい
✔ 胸が苦しくなる
✔ 逆にソワソワする
✔ 呼吸を意識しすぎて疲れる

 

これは
「呼吸が下手だから」
ではありません。

 

身体が、
呼吸を受け止められる支えを持っていない

だけです。

 


呼吸は「コントロール」するものではない

 

本来、呼吸は

・勝手に起きる
・身体が預けられたときに深くなる

ものです。

 

整体をしていると必ず

息が深くなることが度々見られます。

 

つまり、

支えの回復 → 安心 → 呼吸が落ちる

 

この順番。

 

ところが不眠の人は、

 

支点がない状態で
呼吸だけを深くしようとする

 

ことになります。

 

これは例えるなら、

椅子が不安定なのに
上半身だけリラックスしようとする

ようなもの。

 

身体は、
さらに踏ん張るしかありません。

 


深呼吸で崩れる身体の構造

 

整体的に見ると、
深呼吸がつらい人の身体では、

 

・肋骨が支え役をやらされている
・横隔膜が下がれない
・お腹や背中の動きを預けられない
・首や肩が呼吸を助けている

 

こうした状態が起きています。

 

このとき深呼吸をすると、

 

✔ 肋骨を無理に広げる
✔ 首・肩がさらに緊張する
✔ 内側の不安定さが強調される

 

結果、

副交感神経を高めるどころか、
防御反応が強くなります。

 


「吐く呼吸」でもダメな人がいる理由

 

「じゃあ、吐く呼吸ならいいのでは?」

そう思われるかもしれません。

 

でも支点がない身体では、

吐く=力を抜く=崩れる

と身体が判断します。

 

だから、

・吐くほど不安
・脱力が怖い
・眠るのが怖い

という状態になる。

 

これは意志の問題ではなく、
生き物としての安全判断です。

 


ここはな整体院では、呼吸を教えません

 

ここはな整体院では、

 

・深呼吸しましょう
・呼吸を意識してください

 

とは、ほとんど言いません。

 

先に行うのは、

呼吸が勝手に起きるための「支え」を整えること。

 

・重心が集まる位置
・内臓が落ち着ける配置
・肋骨や横隔膜が無理をしない関係
・力を抜いても崩れない身体

 

これが整うと、

 

「自然と息が深くなってました」
「呼吸を意識しなくなりました」
「気づいたら眠っていました」

 

という変化が起きます。

 


深呼吸が必要なのではなく、深呼吸が要らない身体へ

 

眠れない人に必要なのは、

 

✔ 呼吸法
✔ 意識
✔ 頑張り

 

ではありません。

 

呼吸を頑張らなくていい身体。

 

つまり、

支えがあり、
預けても安全な身体。

 

そこに戻れたとき、
呼吸も眠りも、自然に戻ってきます。

 


次は、

「眠れる人と眠れない人の“仰向け姿勢”の決定的な違い」

ここまで読むと、
不眠はかなり立体的に理解できるはずです。


 

「眠れる身体」シリーズ

不眠をではなく身体の支え(支点)から読み解く連載です。

  1. 陰=戻れる支点(支え)とは? |まず「戻れる場所」をつくる話
  2. 副交感神経を高めようとして崩れる身体 |休もうとして苦しくなる理由
  3. 不眠は脳の問題ではなく「身体の支え」の問題 |不眠の見方が変わる入口
  4. 横になると不安になる身体の構造 |横になった瞬間の警戒反応
  5. 眠れない人ほど「深呼吸」が危険な理由 |呼吸を頑張るほど崩れる人へ
  6. 眠れる人と眠れない人の「仰向け姿勢」の決定的な違い |支えの状態が一番出る姿勢
  7. 眠れる人は「脱力」していない |シリーズのまとめ

※どの記事から読んでも大丈夫ですが、迷ったら ③ → ④ → ⑥ → ⑦ の順がおすすめです。

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妊婦さんは、眠りや呼吸の乱れがお腹の張り・疲労感につながることもあります。
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