高齢者の膝痛は治らなくても楽になる|87歳の身体から考える整体的アプローチ

膝が「治らなくても」楽になる理由

― 87歳の方の身体から教わったこと ―

 

「もう年だから仕方ないですよね」
膝の痛みを抱える高齢の方から、よく聞く言葉です。

 

確かに、年齢を重ねた膝関節には
軟骨の摩耗や変形など、元に戻らない構造的な変化が起きています。

 

でもそれは、
「これ以上、楽にならない」という意味ではありません。

 


膝だけで身体を支え続けてきた身体

 

今回お話しするのは、87歳の女性の例です。

 

この方の膝関節は、正直に言って
「治る・元に戻る」という段階ではありません。

 

長年、

  • 膝関節と

  • 下腿(すね)の外側

この2か所だけで、身体を支え続けてきました。

 

その結果、

  • 太ももの前側と

  • 太ももの内側

本来、体重を分担すべき筋肉は
細く力が入らず使われないふにゃふにゃ状態になっていました。

膝が悪いのではなく、
膝しか動作の支えに使えない身体になっていたのです。

 


「鍛える」より先に、やることがある

 

よくある対処法は、

  • 太ももを鍛えましょう

  • 筋トレをしましょう

  • 頑張って歩きましょう

ですが、この年代・この状態では
それが逆に負担になることも少なくありません。

今回お伝えしたのは、こういう考え方です。

  • まず、支えすぎている場所を休ませる→膝・スネの外

  • 次に、本来使えるはずの場所を思い出させる→太もも前・内

  • その上で、普段通りの生活を送る

しんどくなるような筋トレは必要ありません。

 


膝は「治らなくても」楽になる

 

大切なのは、ここです。

  • 膝関節そのものは元に戻らなくても

  • 身体の支え方が変われば

  • 膝にかかる負担は減り

  • 結果として、膝は楽になります

「治す」と「楽になる」は、違います。

 

高齢になるほど、
楽に生きられる時間が増えることが何より大切です。

 


来院頻度の話になった理由

 

この方は、これまで2週間に1回の来院でした。

ただ、この身体の状態では、

  • 少し整う

  • 日常生活ですぐ元に戻る

これを繰り返してしまいます。

 

そこで身体の状態を説明したうえで、
「今は週1の方が、身体が覚えやすいです」
とお伝えしました。

 

このことは折に触れて伝えてきましたが、

それでも2週に1度でしたので

 

最後に
「では2週間後に取っておきますね」
と伝えたところ、

「来週も入れて」
と、先方から言われました。

 

ご本人による、
身体を理解したうえでの判断だったと思います。

 

売り込みはしませんが、

「良くなってもらいたい」「長く元気でいてほしい」

とは本気でいつも思っています。

 


整体は「治す場所」だけではありません

 

整体は、

  • 壊れたものを元に戻す場所
    ではなく、

  • これ以上、無理をさせない身体に戻す場所

  • 楽に支えられる身体を思い出す場所

でもあります。

年齢や診断名だけで、
可能性を閉じてしまう必要はありません。

 


最後に

 

「治らない」と分かっているからこそ、
できることがあります。

それは、

  • 支えを分散させる

  • 無理な努力を減らす

  • 楽に生きられる時間を増やす

整体は、そのための手助けです。

 

 

同じような膝の不安を感じている方の
一つの参考になれば幸いです。